和菓子が好きなら、まずは米屋に行ってほしい
北海道で本格的に和菓子が作られるようになったのは、明治開拓期以降。
本州に比べると、和菓子の歴史はとても短い。
だからか、和菓子屋が少ないし、その多くは大福がメインの餅菓子屋。
そんな中、菓匠 米屋は、和菓子全般を扱う和菓子屋。
菓匠 米屋の魅力
店構えの少し古風な感じが魅力的で、店内も落ち着いた雰囲気。
ショーケースには、大福、どら焼き、羊羹、団子のほか、オリジナル菓子や赤飯などが並ぶ。
もちろん、季節ごとに桜餅、うぐいす餅、水羊羹、芋羊羹なども楽しめる。
贈答用に、少し日持ちする菓子の詰め合わせもショーケースに並ぶ。
ちょっとした手土産にも、かしこまった贈答にも頼りになるラインナップ。
でも、なにより人気があるのは、
豆大福。
米屋の豆大福は、一言で表現するならば『上品』だ。
まず、餅がもっちりと柔らかい。
餅屋の弾力のある餅ではなく、ちょっと求肥に近いような『和菓子屋さんの餅』という感じ。
中はこしあんで、瑞々しくて甘さ控えめ。
少し柔らかめ(水分が多め)のこしあんが、柔らかめの餅にとてもよく合う。
豆は黒豆で、しっかりした歯ごたえと豆の風味がアクセントに。
ただ、豆だけが主張しすぎることはなく、豆大福としてバランスがいい。
『美味しさ』とは、バランスで決まると私は思う。
1つの要素、1つの素材で決まることはない。
あんこだけが、餅だけが美味しくても、バランスが悪いと結局その魅力は伝わらない。
米屋の豆大福は、そのバランスが『まさにここ!』というところに整っている。
もちろん、もっと餅らしい弾力あるタイプが好きという人もいるだろう。
(私もそう。だから、好きな豆大福№1は別のお店。)
でも、そんな人でも、この豆大福は確実に美味しいと感じる。
あらゆる人の豆大福ランキングで、トップ3に入る、そういう美味しさ。
札幌市内のあんこ好きには、とにかく一度は食べてもらいたい。
豆大福以外のお菓子も、全体的に甘さが控えめで上品。
個人的には、一口サイズの生菓子(梅衣や芋ようかんなど)が特におすすめ。
上品な甘さが、素材の味を引き立たせてくれる。
菓匠 米屋の商品
豆大福
●豆大福
人気があるので、土日は午前中に売り切れることも。
必ず食べたいなら、ぜひ開店時間を狙って。
毎回、食べた終わると『また今度買いに行こう』と思ってしまうおいしさ。
どらやき
●どらやき
鈴の焼き印がかわいらしい。
気泡のしっかり入った生地はふかふか。
みりんは入っていなく、蜂蜜のクセも少なくて甘さ控えめ。
つぶあんの量も控えめなので、全体的にあっさりしたタイプ。
だんご
●だんご
写真は、ごまみそあん。
みそあんの甘さはかなり控えめだけど、胡麻の風味がプラスされて味わい深い。
みたらしも、甘さは控えめなのに濃厚でおいしい。
梅衣
●梅衣
外は白あん、中には梅の甘露煮。
ほっくりした白あんと柔らかい梅の甘露煮の組み合わせが、なんともおいしい。
個人的には、夏に冷やして食べるのがおすすめ。
芋ようかん
●芋ようかん
秋から冬にかけて販売される芋ようかん。
原材料は、さつまいも、砂糖、塩のみのシンプルなお菓子。
お芋の味を存分に味わえる素朴さが、和菓子らしい。
札幌まる山
●札幌まる山
袋を開けると、中からは金色の包み紙に包まれた、半月型のお菓子が。
外側は、しっかりたまご味でふんわり柔らかい生地。
中は、つぶあんと柔らかい求肥。
たまご風味の洋風生地に求肥とあんこが合う。